⑤灘中学校

(1) はじめに、操作Aを1回行ったときの5個の整数の変化について、さいころの出た目1〜6ごとに調べてみます。
●1の場合 ①出た目の数1を1,2,3,4,5それぞれにかけると、1,2,3,4,5となる。
②1,2,3,4,5をそれぞれ6で割ると、1÷6=0…1、2÷6=0…2、3÷6=0…3、
4÷6=0…4、5÷6=0…5 となり、あまりにおきかえると 1,2,3,4,5 (5種類) となる。
●2の場合 ①出た目の数2を1,2,3,4,5それぞれにかけると、2,4,6,8,10となる。
②2,4,6,8,10をそれぞれ6で割ると、2÷6=0…2、4÷6=0…4、6÷6=1…0、
8÷6=1…2、10÷6=1…4 となり、あまりにおきかえると 2,4,0,2,4 (3種類) となる。
●3の場合 ①出た目の数3を1,2,3,4,5それぞれにかけると、3,6,9,12,15となる。
②3,6,9,12,15をそれぞれ6で割ると、3÷6=0…3、6÷6=1…0、9÷6=1…3、
12÷6=2…0、15÷6=2…3 となり、あまりにおきかえると 3,0,3,0,3 (2種類) となる。
●4の場合 ①出た目の数4を1,2,3,4,5それぞれにかけると、4,8,12,16,20となる。
②4,8,12,16,20をそれぞれ6で割ると、4÷6=0…4、8÷6=1…2、12÷6=2…0、
16÷6=2…4、20÷6=3…2 となり、あまりにおきかえると 4,2,0,4,2 (3種類) となる。
●5の場合 ①出た目の数5を1,2,3,4,5それぞれにかけると、5,10,15,20,25となる。
②5,10,15,20,25をそれぞれ6で割ると、5÷6=0…5、10÷6=1…4、15÷6=2…3、
20÷6=3…2、25÷6=4…1 となり、あまりにおきかえると 5,4,3,2,1 (5種類) となる。
●6の場合 ①出た目の数6を1,2,3,4,5それぞれにかけると、6,12,18,24,30となる。
②6,12,18,24,30をそれぞれ6で割ると、6÷6=1…0、12÷6=2…0、18÷6=3…0、
24÷6=4…0、30÷6=5…0 となり、あまりにおきかえると 0,0,0,0,0 (1種類) となる。
ここで、x=5の“x ” は、“操作を3回くり返して行ったあとにできる5個の整数”の“種類の数”とありますから、さいころが3回ふられた後に、5個の整数が5種類になる場合を考えます。最初は5種類(1,2,3,4,5)から始まりますが、3回のさいころの出た目の中に一度でも2,3,4,6が出てしまうと種類が減ります。一度でも種類が減ってしまうと増えることはありませんから、さいころの出た目は3回とも1か5であったことがわかります。出る順序も区別して目の出方を調べると、1-1-1, 1-1-5, 1-5-1, 5-1-1, 1-5-5, 5-1-5, 5-5-1, 5-5-5 の 【8通り】 です
※1・2・3回目のそれぞれについて1と5の2通りがありますから、2×2×2=8通りとしてもよいでしょう。

(2) さいころが3回ふられた後に、5個の整数が3種類になる場合を考えます。(1)で調べた通り、さいころの出た目が2と4の場合に3種類になります。ただし3回ふるわけですから、2や4が出た後にさいころをふったときの5個の整数の変化について調べる必要があります。 2が出た場合(2,4,0,2,4)と、4が出た場合(4,2,0,4,2)は、どちらも(0,2,4)の3種類となりますので、(0,2,4)に対して操作Aをもう1回行ったときの数字の変化について、さいころの出た目1〜6ごとに調べてみます。
●1の場合 ①出た目の数1を0,2,4それぞれにかけると、0,2,4となる。
②0,2,4をそれぞれ6で割り、あまりにおきかえると 0,2,4 (3種類) となる。
●2の場合 ①出た目の数2を0,2,4それぞれにかけると、0,4,8となる。
②0,4,8をそれぞれ6で割り、あまりにおきかえると 0,4,2 (3種類) となる。
●3の場合 ①出た目の数3を0,2,4それぞれにかけると、0,6,12となる。
②0,6,12をそれぞれ6で割り、あまりにおきかえると 0,0,0 (1種類) となる。
●4の場合 ①出た目の数4を0,2,4それぞれにかけると、0,8,16となる。
②0,8,16をそれぞれ6で割り、あまりにおきかえると 0,2,4 (3種類) となる。
●5の場合 ①出た目の数5を0,2,4それぞれにかけると、0,10,20となる。
②0,10,20をそれぞれ6で割り、あまりにおきかえると 0,4,2 (3種類) となる。
●6の場合 ①出た目の数6を0,2,4それぞれにかけると、0,12,24となる。
②0,12,24をそれぞれ6で割り、あまりにおきかえると ,0,0,0 (1種類) となる。
つまり、1,2,4,5の場合は変わることなく3種類、3,6の場合は種類が減って1種類になるとわかります。
3回のさいころの出た目の中に一度でも3,6が出てしまうと種類が減ります。一度でも種類が減ってしまうと増えることはありませんから、さいころの出た目は3回とも1,2,4,5のいずれかであったことがわかります。1・2・3回目のさいころ、それぞれについて、1,2,4,5の4通りがありますから、4×4×4=64通り、ただし、(1)のように2や4が一度も出ず、3回とも1か5だった場合は3種類になりませんので、(1)で求めた8通りを除いて、64−8= 【56通り】 です。

(3) さいころが3回ふられた後に、5個の整数が1種類になる場合を考えます。まず、3が出た後にさいころをふったときの5個の整数の変化について調べます。3が出た場合(3,0,3,0,3)は、(0,3)の2種類となりますので、(0,3)に対して操作Aをもう1回行ったときの数字の変化について、さいころの出た目1〜6ごとに調べてみます。
●1の場合 1を0,3にかけると、0,3となる。6で割り、あまりにおきかえると 0,3 (2種類) となる。
●2の場合 2を0,3にかけると、0,6となる。6で割り、あまりにおきかえると 0,0 (1種類) となる。
●3の場合 3を0,3にかけると、0,9となる。6で割り、あまりにおきかえると 0,3 (2種類) となる。
●4の場合 4を0,3にかけると、0,12となる。6で割り、あまりにおきかえると 0,0 (1種類) となる。
●5の場合 5を0,3にかけると、0,15となる。6で割り、あまりにおきかえると 0,3 (2種類) となる。
●6の場合 6を0,3にかけると、0,18となる。6で割り、あまりにおきかえると 0,0 (1種類) となる。
(1)(2)で調べたことと合わせて整理すると、1種類になるのは、①3回のうち1回でも6が出る ②2か4が出た後に3が出る ③3が出た後に2か4が出る 以上、3パターンが考えられます。これに注意して目の出方を調べると、1回目に1が出た場合、1-1-6, 1-2-3, 1-2-6, 1-3-2, 1-3-4, 1-3-6, 1-4-3, 1-4-6,…と続いて15通り。
1回目に2が出た場合、2-1-3, 2-1-6, 2-2-3, 2-2-6, 2-3-1, 2-3-2, 2-3-3, 2-3-4,…と続いて20通り。
1回目に3が出た場合、3-1-2, 3-1-4, 3-1-6, 3-2-1, 3-2-2, 3-2-3, 3-2-4, 3-2-5, …と続いて27通り。
1回目に4が出た場合、2が出た場合と同様になるので20通り。1回目に5が出た場合、1が出た場合と同様になるので15通り。1回目に6が出た場合、全ての場合なので6×6=36通り。よって1種類になるさいころの目の出方は、合計で15+20+27+20+15+36= 【133通り】 です。