③福大大濠中学校

(Ⅰ)(1) 「ア」一番手前の青3段でかくれるため、その後ろの積木は2つとも見えません。よって 【1色】 です。「イ」一番手前の赤2段でかくれるため、その後ろの黄1段は見えません。青3段は赤2段より高いため、一番上の積木が見えます。よって 【2色】 です。

(Ⅰ)(2) 1色の列に注目すると、一番高い青3段がEやFにあると必ず2色以上見えるはずですから、一番手前の 【D=3】 がわかります。3色の列に注目すると、3色見える積木の並べ方は一通り、つまり低い順に並べるしかないことがわかります。 【Ⅰ=1, F=2, C=3】 です。これにより、 【E=1】 となります。次に、全部で3個ある黄1段に注目すると、すでに2個は置かれており、あと一つを置ける場所として、【A=1】 が決まります。あとは自動的に、【B=2, G=2, H=3】 となります。
(Ⅱ)(1) 1色の列に注目すると、一番高い緑4段が一番手前に置かれるはずですから、H=4 とわかります。4色の列に注目すると、低い順に並んでいるはずですから、 【A=1】 , E=2,Ⅰ=3, M=4 がわかります。次に緑4段が3色の列のどこに置かれるかを考えると、C=4 が決まり、残った一つの緑4段の置き場所を考えると、J=4 が決まります。次に2色の列に注目すると、L=2, 【K=1】 がわかります。さらに3色の列に注目すると、O=2, G=3 がわかります。ここで自動的に 【F=1】 が決まり、残った黄1段の置き場所を考えると 【P=1】 が決まります。残りは N=3, B=2, D=3 となります。

(Ⅱ)(2) まず1色の列に注目して B=4 です。次に、左から3色右から2色見える列に注目します。この列に緑4段の置き場所は1つしかありません。 【G=4】 です。さらに一番下の右から2色見える列に注目し、緑4段の置き場所を考えて、 【M=4】 、残った一つの緑4段の置き場所を考えて、L=4が決まります。ここでもう一度、一番下の右から2色見える列に目を移すと、 青3段はNやOには置けないことがわかります。よってP=3、それによって 【D=2】 , H=1となります。ここから、E=2, F=3が決まり、N=2, 【J=1】 も決まります。残りは順に、O=1, C=3, K=2, A=1, Ⅰ=3です。

④西南学院中学校

(1) コース1周分の直線は120×2=240mで、カーブも同様です。A君が直線を走るときの速さは秒速6mですから、かかる時間は、240÷6=40秒です。カーブを走るときの速さは秒速4mですから、かかる時間は 240÷4=60秒=1分。よってA君が1周走るのにかかる時間は40秒+1分=【1分40秒】 です。
※ここでは「距離÷速さ」で「時間」を求めていますが、公式を使わずに解くことも可能です。例えば秒速6mで24mを走るときにかかる時間を考える場合、6+6+6+6=24なので4秒と求めるなど、様々な工夫が考えられます。試行錯誤の末に正答に辿り着くことが出来れば、公式の利用とは比較にならない深い納得感が得られるはずです。

(2) まずB君が1周するのにかかる時間を調べてみます。直線には240÷5=48秒かかり、カーブには240÷3=80秒かかりますから、合計で48+80=128秒です。A君は1分40秒=60+40=100秒で1周していましたから、128−100=28秒だけ、B君の方が時間がかかります。つまりB君がスタートして28秒後にA君がスタートすれば、100秒後に同時にゴールすることになります。ではB君は28秒でどこまで進むのでしょうか。まず、12+24×2=60mある最初の直線に、60÷5=12秒かかり、次のカーブ120mに120÷3=40秒かかりますから、カーブの途中まで進むことがわかります。カーブを28−12=16秒間、距離にすると16×3=48m進んでいます。48÷24=2より、カーブの始まり③から48m進んだ地点は 【⑤番】 です。

(3) 最初にA君がアの方向にスタートして22秒で進んだ距離を調べます。最初の直線を走るのに60÷6=10秒かかりますから、カーブの始まり③から、(22−10)×4=48m進んだ地点、つまり⑤を通過したときにB君がスタートしたことがわかります。その後、B君が⑬に行くまでにかかる時間は、直線で60÷5=12秒、カーブで120÷3=40秒、合計で12+40=52秒です。一方、A君が⑬に行くまでにかかる時間は、カーブ(⑤〜⑧)で(120−48)÷4=18秒、直線で120÷6=20秒、合計で18+20=38秒です。ここから、⑬を先に通過したのはA君であることと、二人は⑬〜⑱のカーブで出会ったことがわかります。それではA君が⑬を通過したとき(B君のスタートから38秒後)、B君はどこにいたのでしょうか。最初の直線に12秒かかっていますから、カーブの始まり⑱から、(38−12)×3=78m進んだ地点、つまり⑬まで120−78=42mの地点にいます。(52−38)×3=42mと考えてもよいでしょう。その後は2人とも一定の速さで進みますから、2人の間の距離42mも一定の速さで縮まっていきます。つまりA君が秒速4m、Bくんが秒速3mで向かい合って進んでいるので、1秒に4+3=7mずつ2人の間の距離は縮まっていきます。ここから、2人の間の距離がなくなるとき、つまり二人が出会うときは、A君が⑬を通過してから42÷7=6秒後だとわかります。A君はそのとき、⑬から6×4=24mの地点にいます。よって二人が出会う地点は 【⑭番】 です。

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⑤灘中学校

(1) はじめに、操作Aを1回行ったときの5個の整数の変化について、さいころの出た目1〜6ごとに調べてみます。
●1の場合 ①出た目の数1を1,2,3,4,5それぞれにかけると、1,2,3,4,5となる。
②1,2,3,4,5をそれぞれ6で割ると、1÷6=0…1、2÷6=0…2、3÷6=0…3、
4÷6=0…4、5÷6=0…5 となり、あまりにおきかえると 1,2,3,4,5 (5種類) となる。
●2の場合 ①出た目の数2を1,2,3,4,5それぞれにかけると、2,4,6,8,10となる。
②2,4,6,8,10をそれぞれ6で割ると、2÷6=0…2、4÷6=0…4、6÷6=1…0、
8÷6=1…2、10÷6=1…4 となり、あまりにおきかえると 2,4,0,2,4 (3種類) となる。
●3の場合 ①出た目の数3を1,2,3,4,5それぞれにかけると、3,6,9,12,15となる。
②3,6,9,12,15をそれぞれ6で割ると、3÷6=0…3、6÷6=1…0、9÷6=1…3、
12÷6=2…0、15÷6=2…3 となり、あまりにおきかえると 3,0,3,0,3 (2種類) となる。
●4の場合 ①出た目の数4を1,2,3,4,5それぞれにかけると、4,8,12,16,20となる。
②4,8,12,16,20をそれぞれ6で割ると、4÷6=0…4、8÷6=1…2、12÷6=2…0、
16÷6=2…4、20÷6=3…2 となり、あまりにおきかえると 4,2,0,4,2 (3種類) となる。
●5の場合 ①出た目の数5を1,2,3,4,5それぞれにかけると、5,10,15,20,25となる。
②5,10,15,20,25をそれぞれ6で割ると、5÷6=0…5、10÷6=1…4、15÷6=2…3、
20÷6=3…2、25÷6=4…1 となり、あまりにおきかえると 5,4,3,2,1 (5種類) となる。
●6の場合 ①出た目の数6を1,2,3,4,5それぞれにかけると、6,12,18,24,30となる。
②6,12,18,24,30をそれぞれ6で割ると、6÷6=1…0、12÷6=2…0、18÷6=3…0、
24÷6=4…0、30÷6=5…0 となり、あまりにおきかえると 0,0,0,0,0 (1種類) となる。
ここで、x=5の“x ” は、“操作を3回くり返して行ったあとにできる5個の整数”の“種類の数”とありますから、さいころが3回ふられた後に、5個の整数が5種類になる場合を考えます。最初は5種類(1,2,3,4,5)から始まりますが、3回のさいころの出た目の中に一度でも2,3,4,6が出てしまうと種類が減ります。一度でも種類が減ってしまうと増えることはありませんから、さいころの出た目は3回とも1か5であったことがわかります。出る順序も区別して目の出方を調べると、1-1-1, 1-1-5, 1-5-1, 5-1-1, 1-5-5, 5-1-5, 5-5-1, 5-5-5 の 【8通り】 です
※1・2・3回目のそれぞれについて1と5の2通りがありますから、2×2×2=8通りとしてもよいでしょう。

(2) さいころが3回ふられた後に、5個の整数が3種類になる場合を考えます。(1)で調べた通り、さいころの出た目が2と4の場合に3種類になります。ただし3回ふるわけですから、2や4が出た後にさいころをふったときの5個の整数の変化について調べる必要があります。 2が出た場合(2,4,0,2,4)と、4が出た場合(4,2,0,4,2)は、どちらも(0,2,4)の3種類となりますので、(0,2,4)に対して操作Aをもう1回行ったときの数字の変化について、さいころの出た目1〜6ごとに調べてみます。
●1の場合 ①出た目の数1を0,2,4それぞれにかけると、0,2,4となる。
②0,2,4をそれぞれ6で割り、あまりにおきかえると 0,2,4 (3種類) となる。
●2の場合 ①出た目の数2を0,2,4それぞれにかけると、0,4,8となる。
②0,4,8をそれぞれ6で割り、あまりにおきかえると 0,4,2 (3種類) となる。
●3の場合 ①出た目の数3を0,2,4それぞれにかけると、0,6,12となる。
②0,6,12をそれぞれ6で割り、あまりにおきかえると 0,0,0 (1種類) となる。
●4の場合 ①出た目の数4を0,2,4それぞれにかけると、0,8,16となる。
②0,8,16をそれぞれ6で割り、あまりにおきかえると 0,2,4 (3種類) となる。
●5の場合 ①出た目の数5を0,2,4それぞれにかけると、0,10,20となる。
②0,10,20をそれぞれ6で割り、あまりにおきかえると 0,4,2 (3種類) となる。
●6の場合 ①出た目の数6を0,2,4それぞれにかけると、0,12,24となる。
②0,12,24をそれぞれ6で割り、あまりにおきかえると ,0,0,0 (1種類) となる。
つまり、1,2,4,5の場合は変わることなく3種類、3,6の場合は種類が減って1種類になるとわかります。
3回のさいころの出た目の中に一度でも3,6が出てしまうと種類が減ります。一度でも種類が減ってしまうと増えることはありませんから、さいころの出た目は3回とも1,2,4,5のいずれかであったことがわかります。1・2・3回目のさいころ、それぞれについて、1,2,4,5の4通りがありますから、4×4×4=64通り、ただし、(1)のように2や4が一度も出ず、3回とも1か5だった場合は3種類になりませんので、(1)で求めた8通りを除いて、64−8= 【56通り】 です。

(3) さいころが3回ふられた後に、5個の整数が1種類になる場合を考えます。まず、3が出た後にさいころをふったときの5個の整数の変化について調べます。3が出た場合(3,0,3,0,3)は、(0,3)の2種類となりますので、(0,3)に対して操作Aをもう1回行ったときの数字の変化について、さいころの出た目1〜6ごとに調べてみます。
●1の場合 1を0,3にかけると、0,3となる。6で割り、あまりにおきかえると 0,3 (2種類) となる。
●2の場合 2を0,3にかけると、0,6となる。6で割り、あまりにおきかえると 0,0 (1種類) となる。
●3の場合 3を0,3にかけると、0,9となる。6で割り、あまりにおきかえると 0,3 (2種類) となる。
●4の場合 4を0,3にかけると、0,12となる。6で割り、あまりにおきかえると 0,0 (1種類) となる。
●5の場合 5を0,3にかけると、0,15となる。6で割り、あまりにおきかえると 0,3 (2種類) となる。
●6の場合 6を0,3にかけると、0,18となる。6で割り、あまりにおきかえると 0,0 (1種類) となる。
(1)(2)で調べたことと合わせて整理すると、1種類になるのは、①3回のうち1回でも6が出る ②2か4が出た後に3が出る ③3が出た後に2か4が出る 以上、3パターンが考えられます。これに注意して目の出方を調べると、1回目に1が出た場合、1-1-6, 1-2-3, 1-2-6, 1-3-2, 1-3-4, 1-3-6, 1-4-3, 1-4-6,…と続いて15通り。
1回目に2が出た場合、2-1-3, 2-1-6, 2-2-3, 2-2-6, 2-3-1, 2-3-2, 2-3-3, 2-3-4,…と続いて20通り。
1回目に3が出た場合、3-1-2, 3-1-4, 3-1-6, 3-2-1, 3-2-2, 3-2-3, 3-2-4, 3-2-5, …と続いて27通り。
1回目に4が出た場合、2が出た場合と同様になるので20通り。1回目に5が出た場合、1が出た場合と同様になるので15通り。1回目に6が出た場合、全ての場合なので6×6=36通り。よって1種類になるさいころの目の出方は、合計で15+20+27+20+15+36= 【133通り】 です。

●春休み

来週から一週間程、お休みを頂いて家族旅行に行ってきます。行先は韓国。今回は両家の母二人も一緒です。幼児三人を連れた女性三人の買い物&グルメ旅行。私はツアーガイド兼ベビーシッターとして同行します(笑)。

置き土産がわり(?)に昨年もやった“知識がなくても楽しめる算数入試問題ベストセレクション2012”をアップしました(こちら)。お子様がヒマそうにしていたらぜひ。“春休みの学習”というとよく「ここで一年の復習」とか「ここで苦手克服」とか聞きますが、う~ん実際どうなんでしょう。「さあ何して遊ぼう♪」で頭の中が一杯の子どもが“一年の復習”や“苦手克服”に果たして前向きに取り組めるのか…かなり疑問です。
短い春休み、思いっきり家族で楽しめればそれで良いような気もします。もし何か学びに繋がることをするとしたら、“次学年の学習内容で興味を引きそうなものの話を前フリしておく”とか、“家族で頭を使うカードゲームを楽しむ”とか、“知識がなくても楽しめる算数入試問題を一緒に解いてみる”とか(手前味噌ばかりですね。笑)、そういうものの方が効果的なのでは、と思います。
県内の主要私立中の問題分析も一緒にアップしましたので、興味のある方はこちらもご覧ください。
それでは行ってきます。無事に帰ったらまた旅行記を書きます。お楽しみに♪

●ベストセレクション2011 解答・解説 (文責 : 学び舎こいく 滝)

①筑紫女学園中学校 

(1) 「1〜9の9枚のカードを3つのグループに分ける」というのは、問題文の「たとえば〜」の条件と同じです。ここから、合計が15になる組み合わせを考えればいいということがわかります。2枚の合計を15にする組み合わせは2通りだけですから、【6,9】 と 【7,8】、そして残りの 【1,2,3,4,5】 となります。(分け方はこの1通りのみ。)

(2) 1〜8の合計を調べると、36になることがわかります。合計36を2つのグループに分けますので、それぞれのグループの数字の合計は、36÷2=18 より 【18】 となります。(ちなみに分け方は全部で3通り。3枚のグループの選び方を書くと、<3,7,8>,<4,6,8>,<5,6,7>となります。)

(3) (1)と(2)の誘導を踏まえて「合計」を調べておくのがポイントです。1〜7の合計を調べると、28になることがわかります。合計28を2つのグループに分けますので、それぞれのグループの数字の合計は、28÷2=14 となります。
カードの枚数の組み合わせは<1枚,6枚>,<2枚,5枚>,<3枚,4枚>の3通りがありますが、1枚や2枚で合計を14にするのは不可能ですから、<3枚,4枚>の組み合わせだけを調べればよいとわかります。3枚で合計を14にする組み合わせは、<1,6,7>,<2,5,7>,<3,4,7>,<3,5,6> の4通り、よって分け方は全部で 【4通り】 となります。

※組合せの調べ方についてですが、自分の中でルールを決めることなく思いつきで書きだした場合、モレやダブリが出やすいだけでなく、「調べ終わりがわからない」という問題が生じます。例えば、「3桁の数と捉えたときに小さい順に書いていく」「左隣の数より大きい数だけを書く」というルールを決め、それに従って順序よく書き出せば、モレやダブリを防げますし、<5,6,7>が最後の組み合わせとなりますので、調べ終わりがはっきりします。
ただ、上記のような「書き出しのルール」を最初から教えてしまうのはあまりよくないと思います。自由に取り組ませると苦労もするし失敗もするでしょうが、そういった経験を積むことで「何か良い調べ方はないだろうか」と本人が自ら考え行動することが大切です。