●絵で解く算数文章題って何?

 「絵で解く算数文章題」は、“解き方を教えるため”の問題ではなく、“考える力を鍛えるため”の問題です。子どもがイメージを膨らませやすいような題材を用いていますが、すぐには式が思いつかないような複雑な問題も多く、小学校で扱う文章題よりハイレベルな内容となっています。(作成者は「どんぐり倶楽部」の糸山泰造先生です。)

その日の問題を受け取ったら、それをノートに貼り、問題文の通りになるように絵を描いていきます。絵に表す(視覚化する)ことで問題文の情報を整理することが出来ますし、絵を使うことで難問に対しても粘り強い試行錯誤が可能となります。時間制限は設けず、じっくり問題を味わってもらいます。
漢字の読み方や言葉の意味などは教えますが、ヒントやアドバイスは最小限に抑え、行き詰まった時も簡単に解き方を教えることはせず、絵を使った試行錯誤を促します。

考える力は、試行錯誤、つまり“自分で考え・自分で動き・自分で確認する”ことによって鍛えられます。「こうしたらこうなるかな?」という予測を立て、具体物を使ってやってみて、結果を確かめる。
「思った通り」「あれ?違う」 数字や式などの抽象的な記号ではなく、具体物というのがポイントです。実際に目に見えるものだからこそ、様々な工夫を思いつきやすく、やってみたことの結果をしっかりと体感できるのです。それが「絵」である理由です。

生活や遊びの中で試行錯誤をする機会が、今の子ども達には圧倒的に不足しています。意識的に試行錯誤の機会を作らなければ、困難な問題に直面した時に、解決策を「教えてもらおう」とするのでなく「自分で見つけよう」とする姿勢はなかなか育ちません。絵による試行錯誤ができれば、あえて教えずとも、いつかは自力で自分なりの解き方を“発見”します。その際に得られる「わかった!」という納得感は、脳と心に深く刻まれますので、解き方を忘れるということがなく、他の問題にも自在に応用できます。そして、自分の成し遂げたことに対する自信が、新たなチャレンジを可能にするのです。

リンクのページ(こちら)で実際に使用された方のブログやHPをご覧になっていただけます。どんな問題があるかは、ノートギャラリー(こちら)でご覧いただけます。(画像はクリックすると拡大します。)

<2013/7/20 追記>
授業の質を更に高めるべく、「地頭を鍛える学習教室(HPはこちら)」のオリジナル教材、「地頭を鍛えるお絵かき算数ドリル」を導入しました。
どんぐり倶楽部の理論・理念を受け継いだ650題。 こちら にも関連記事を書いてます。