⑤灘中学校 

規則に従って左から5枚目のカードを調べると、1×3×5×17+2=257、左から6枚目のカードを調べると、1×3×5×17×257+2=65537 となります。ここまでは計算できますが、次の7枚目は数十億となりますので、10枚目の数を調べること、更にそこから1を引いた数が2で何回割り切れるかを調べること、これらがかなり大変であることがわかります。そこで視点を変え、問題文の「このとき〜」を参考にして、それぞれの「カードに書かれている数から1を引いた数」が「2で何回まで割り切ることができ」るかを調べてみます。5枚目まで調べると、順に0回・1回・2回・4回・8回となっており、2枚目以降は
1・2・4・8、と規則正しく並んでいることがわかります。左隣の数を2倍していく数列になっていますから、書き出すと1,2,4,8,16,32,64,128,256 と続きます。よって10枚目(右端)のカードに書かれている数は不明ですが、その数から1を引いた数は2で 【256】 回まで割り切ることができることがわかります。

※公立中学校なら3年生で習う内容ですが、乗法公式というものがあります。そのなかの「和と差の積の公式」→ (a+b)(a−b)=(aの2乗−bの2乗)、これを利用して考えると一般化できます。
左から3枚目のカードは積の部分が、1×3=(2−1)(2+1)=「2の2乗−1」となりますので、これに2を加えて「2の2乗+1」となります。よってここから1を引いた数は「2の2乗」となります。4枚目のカードは積の部分が「3枚目までの積×4枚目の数」となるはずです。先ほどの結果を利用すると、積の部分は、3×5=(2の2乗−1)(2の2乗+1)=「2の4乗−1」となりますので、これに2を加えて「2の4乗+1」となります。よってここから1を引いた数は「2の4乗」となります。同様に考えると5枚目のカードから1を引いた数は「2の8乗」となり、この後は、2の16乗、32乗、64乗、128乗、そして「2の256乗」と続きます。
もちろん小学生には累乗や乗法公式の知識はありませんが、「面積図」というものを使えば同じ内容を説明することができます(最難関レベルですが…)。この問題に関しては、解説に書いたように結果から類推した方が早いとは思いますが、いずれにせよ非常に深みのあるテーマだと思います。