●こいく文庫(保護者向け)⑧

☆ 勉強しなければだいじょうぶ ☆ 五味 太郎

世界的な絵本作家が書いた、ちょっと(いや、だいぶ?)辛口な教育論。なんせ、“勉強しなくても”では
なく、“勉強しなければ”ですからね。けっこう(いや、かなり?)過激です。

この本では、個人が自らの好奇心に突き動かされて学ぶ“学習”
と、個人的必然を感じないままに与えられる“勉強”、その二つを
分けて捉え、本来は“学習人”として生まれてきたはずの子ども達が、学校というシステムのなかで次第に個を失い“勉強人”化していく現状を批判しています。
“学校制度”自体が持つ問題点が指摘されているため、我が子を毎日学校に送り出している保護者から見れば、これは大変な問題作です。ある意味、安定を脅かされるほどのパワーがあります。
それでもこの本をここで紹介する理由は、私自身が「勉強しないできてよかった、学習してきてよかった」と感じているからであり、学校制度に実際に大きな問題点があることを感じているからです。保護者がこのような視点を持つことで、救われる子どももいるのではないでしょうか。ぜひご一読ください。