●最強の知育玩具シリーズ⑩

春に紹介した《ニムト》に続き、教室で大人気の名作カードゲームを紹介します。
夢中になって遊んでいるうちに “考える力” がぐぐぐ~っとアップ! 《ハゲタカのえじき》です。

ハゲタカのイラストが描かれた15枚の得点カードを皆で奪い合い(マイナスは押し付け合い)、終了時の合計点を競うゲーム。
最初に1~15の数字が書かれた15枚の手札を各自に配ります。次にシャッフルして裏返しておいた得点カードを、1枚ずつ表に。
表になった得点カードに対して、各自1枚の手札を選び、一斉にオープン! 得点カードが1~10であれば、一番大きい数の手札を出した人がゲット! -5~-1であれば、一番小さい数の手札を
出した人が引き取らなければなりません。 大きい数が勝つ!
とってもわかりやすいルールです。ただ、手札は使いきりで15枚全て使いますので、いつ大きい数を出すかは悩みどころ。小さい数もどこかでうまく処理していかなくてはなりません。
このゲーム最大のポイントは“あいこ”の存在。
例えば得点カードが“10”のとき。「うわ~これ欲しい!」と盛り上がるのは皆一緒。しかし写真のように一番大きい数(15)を出した人が二人以上いたら“あいこ”で“失格”となるのです。写真では、次に大きい数(14)も“あいこ”で失格。12を出した青の人が10の得点カードを得ることになります。
ちょっと実況中継してみると・・・ 「じゃあ始めるよ~、うわ~いきなり10がきた!さあどうする?」

青: 「できれば大きい数は温存しときたいんだよな~。よし、重なりを期待して12くらいでいこう。」
紫: 「10だと大きい数を出してもどうせかぶるからな~。6・7・8辺りを狙っていこう。今回は1で。」
緑: 「みんなきっと重なりが怖くて15を出さないはず…てことは、そう、意外と15は通る!」 ※黄色も
黒: 「15はさすがにかぶりそうだな…。15で逃したところを次の14で頂く、と…しめしめ。」 ※ピンクも

・・・という具合に激しい心理戦が繰り広げられるのです。そして・・・「オープン!」
「ぬぉ~なんで15だすの!」 「そっちこそ~!」 「はっは~14でいただき~」 「いや僕も14…」 「え!」
な~んて感じの攻防が15回。 ね、楽しそうでしょ?

ニムト同様に、“戦略性”と“運要素”のバランスが秀逸なゲームですが、ニムトが、「とりあえず一番
危険そうなカードだけは避ける」という戦略でそこそこ戦えるのに対し、こちらはしっかりとしたカードマネジメントが求められますので、戦略性が若干高めになります。(上級者同士の勝負で戦略性が高いのはニムトですが。) その意味で年齢の差が勝敗に影響しやすいゲームだと思うのですが、なぜか低学年の子に人気があるのはこっち。「イラストが可愛い」といった理由もあるのでしょうが、ニムトより勝ち筋が見えやすい、考えやすい、という理由も大きい気がします。

実際、遊び始めたときは「なんでこの得点カードにこの手札~?」という状態だった子(意外性ゆえに単発で得点したりもするがトータルではたいてい負ける)が、回を重ねるごとに段々うまくなっていったりしているので、“上達の喜びを感じられるゲーム” と言えるかもしれません。
なかには、他のメンバーのクセを見抜いたり、捨て札を覚えたりと、ハイレベルなことをしている子も。
1ゲーム10~15分。対象人数2~6人ですが、“あいこ”が肝のゲームなので4人以上がオススメです。
賢い子を育てたいなら、計算ドリルよりカードゲーム! ご家族でぜひ!