●知識がなくても楽しめる算数入試問題ベストセレクション2011

今回、“算数入試問題分析”をした福岡市内の4校に、“西の横綱” 灘中学校 を加えた、以下の
ラインナップでお送りします。

①上智福岡中学校(旧泰星中学校)
②筑紫女学園中学校
③福大大濠中学校
④西南学院中学校
⑤灘中学校

「灘の問題なんてうちの子が解けるわけない!」
うん、まぁ相当量の受験勉強をこなした小6生が解く入試問題ですから、普通に考えたらそうなんですが、“受験生にはない”けど“他の小学生にはある”ものを利用すれば良いと思います。つまり“時間”。“制限時間内に解く”という制約をここでは無視して、長期戦で戦えば勝ち目はあります。「1日30分かけて少しずつ進んでいって1週間かけて答えに辿り着く」なんていう経験が出来れば、子どもにとって大きな成長に繋がるのではないでしょうか。春休みや夏休みに自由研究として解くのも面白いかもしれません。これを解けることがどれほど凄いことかを猛アピールして「解けたら天才!」と焚きつければ、燃えてくる子も少なくないと思います。それでは1問ずつ見ていきましょう!

※主要校の入試問題は、福岡県内は全教研(こちら)、関東関西は四谷大塚(こちら)
ホームページでご覧になれます。(四谷大塚の会員登録は簡単で無料です。)

※ 解答・解説もアップしています。できるだけ詳しく書いたつもりです。ページ右下の「次のページへ」をクリックしてください。内容に関して、ご質問等ございましたらメールを頂けたらお答えいたします。

①上智福岡中学校

 場合の数の問題です。「偶数」「奇数」「何通り」の説明が必要です。実際にさいころを振ってみればわかりやすいですね。最初に「とにかく書き出してみよう!」と声をかけ、後は放っておきます(笑)。
やっているうちに色々気づくのがこの問題の面白さです。整理されない形で闇雲に書きだす子が多いと思いますが、それでさんざん苦労するのも良いのでは。「どうしたらモレやダブリがなくなるか?」
自分で発見できれば最高ですね。

②筑紫女学園中学校

 速さの問題です。「正三角形」「毎秒〜cm」の説明が必要です。(1)の答が「□.5秒」になりますので、小数を習ってない場合は「□秒半」でもOKとします。最初に 「実際に定規で2cmと3cmを測って図を
書いてみたら!」と声をかけ、後は放っておきます(笑)。正三角形を書くのは大変なんですけどね。
苦労しているところを見計らってコンパスを横に置いてみたりするのもいいですね(笑)。頑張って調べていきさえすれば(3)まで解けるはずです。

③福大大濠中学校

 流行りのパズル系。子ども向けのパズル本も出ている“ビルディングパズル”そのままの問題です。今回セレクトした問題の中では一番肩の力を抜いて楽しめる問題です。漢字の読み方以外、説明するところはありません。1色や4色の列がポイントですが、それは秘密ということで。オススメは工作遊びをプラスすることです。方眼紙に立方体や直方体の展開図を書いて、切って組み立て色を塗って…とやれば立体図形の勉強にもなりそうですね。

④西南学院中学校

 速さの問題です。説明が必要なのは「秒速〜m」くらいですが、若干レベル高めです。(3)なんかは結構ややこしいです。でも頑張って距離と時間を地道に追っていけば、最後は○数字のところでぴったり!と出会うので達成感が味わえます。逆にそこまできっちりやりきらずに大体で答えを当てても、(数字の選択なので当たります)得るものは少ないです。「やるならきっちり最後までやりきろう!」が
合言葉です。

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⑤灘中学校

 場合の数の問題です。実際に手を動かして調べてみると面白い規則が姿を現す、感動ものの逸品です。灘にしては易しめの問題とはいえ、ルール説明を読んだ時点で「意味不明・・・」になる子も多いと思われます。ルールの説明はしてあげてください。後は「とにかく手を動かして実験してみよう!」と声をかけて放っておくのが一番です。ただしゴールまでの道のりはかなり遠いですから、要所要所で 「とっけたっら・天・才!」 の応援コールをお忘れなく(笑)。