【指導方針2】
目先の結果を求めない。
ゆっくりじっくりていねいに、一生の財産になる力(とことん考え抜く力)をつける指導をする。
 集団か個別か、進学か補習かを問わず、巷に溢れるほぼ全ての塾・学習教室は「最短で結果を出すこと」を指導における最優先事項としています。結果、つまり短期間での得点や数値評価アップ、試験合格を実現することは塾・学習教室に課せられた使命です。私自身も以前はプロとして結果にこだわって指導していましたし、お金をいただく以上は、至極当然の姿勢だと思います。
 しかし、こいくでは、目に入りやすい結果以上に、目に見えづらい子どもたちの変化や成長をじっくりと注意深く見つめ、本質的な力をつけることを最優先したいと考えます。目先の結果を優先する指導には、見逃せない弊害があると思うからです。
 明日の試験で結果を出すことだけを考えたとすると、一日で考える力はつきませんから「出題範囲と出題形式を分析して、解法を暗記するまでパターン演習をひたすら徹底反復させる」ことが最も効率的な指導、ということになるでしょう。実際、目先のテストを意識するあまり、このようなその場しのぎの勉強法を勧める教師や保護者が多数います。
 おなかがすいている子どもに、“魚を買って与える”ことは簡単ですが、あくまでもその場しのぎです。その子の将来を考えたら、時間がかかっても“魚の釣り方を教える”ことこそが大切です。

 特に小学生時代は、学習面での土台作りに集中しなければいけない、大変重要な時期です。
よく「できる」と「わかる」は別物と言いますが、この時期に「できる」を優先すると、本当はよくわかっていないのに手順だけ暗記するようになり、深く考えられない頭をつくることにつながります。
 中身の伴わない「できる」は長続きしません。伸び悩むのは確実です。深い納得感を伴う「わかった!」があってはじめて、本当の意味で「できる」ようになるのです。小学生の間に、いくつの「わかった!」を積み上げることが出来るかが勝負です。結果を気にして知識を詰め込む前にやるべきことがあるのです。
 考えること抜きに「わかった!」はやってきません。考える方法を体得して考える楽しさを知り、ひとつの問題について深く考え抜く力をつけることこそ、最優先すべき事柄なのです。

 目先の結果に振り回されない本質的な指導を実現するためには、保護者の方のご協力が不可欠です。私は塾講師として沢山の子どもと保護者と接してきましたが、「真の学力(=考える力)がある子どもの保護者には共通点がある」と常々感じていました。一言でいうとそれは“鷹揚であること”です。
 自分の子どもを信頼して、余裕を持って笑顔でドーンと構えている。結果を求めて勉強を強制したり、一回のテストに一喜一憂したりすることがなく、子どもの状況を温かく楽しんで見守っている。こんな保護者の方に恵まれた子どもは幸せです。健全な向上心を持って自分のペースで落ち着いて学習に取り組めるので、その場しのぎではない真の学力をじっくりと着実に養成していくことが出来ます。

 保護者の方にお願いしたいのは、自分を信じて、自分の子どもを信じて、指導者を信じて、目先の結果を求めず忍耐強くお子様を見守ってほしい、ということです。正しい道を信じて着実に歩めば、必ず結果は後からついてきます。
 一番難しいのは“指導者を信じる”という部分だと思いますが、ここが弱いと子どもの指導者に対する信頼も弱まり、学習効果は半減します。こいくでも、私の方で保護者の方に信頼していただけるよう、出来る努力は何でもいたします。納得して通ってもらえるよう、出来る限りの情報を公開しているつもりですが、他にも疑問点がごさいましたらお答えいたします。また、考え方の相違や指導の際に注意してほしいことなどおっしゃっていただけたら、出来る限りの対応をさせていただきます。
 [学び舎こいく]は、ひとりひとりをしっかりと見つめ、ゆっくりじっくりていねいに、一生の財産になる力(とことん考え抜く力)をつける指導をしていきます。