このような厳しい現状のなかで、幼児期に遊びを通して培った“問題解決能力”を保持し磨くためには、どうすればよいのでしょうか。その答えが、冒頭に書いた“算数の文章題を絵で解く”というひと工夫です。「たったそれだけ?」と拍子抜けするほどの簡単な答えですが、遊び感覚で出来るこの学習法の効果は絶大です。

 例えば先ほどの例題ですが、文章から式を導き出せないときに「よく考えよう」と言われても、何をどう考えればよいのかを教わってなければ考えようがありませんし、「5−3=2,5+2=7となるよね」と説明されても、あまりにも抽象的で、納得感を伴った深い理解には繋がりません。

 では、どうしたら“わかる”ようになるのでしょうか。これには“わからない”がヒントになります。子どもがわからないと言うときは、大抵が“頭の中でイメージ(視覚化)できない”という意味です。ですから“わかる”状態にするための一番の解決策は、「目に見えるように絵や図で視覚化して説明すること」となります。英語で「わかった!」を「I see!」と表現するように“わかる”とは “見える”ということなのです。教科書や参考書に絵や図が多用されているのはそのためです。ただし問題は「いつでも絵や図が目の前にあるわけではない」ということです。

 そこで絵や図を自分で書く練習が必要になります。この練習を重ねることで、言葉や数字や記号を頭の中でイメージ(視覚化)する能力が鍛えられ、イメージを自在に操れるようになっていきます。これはつまり“考える力がつく”ということに他なりません。イメージ力=考える力を武器に、真の理解を積み上げていけば、揺るぎのない真の実力が身につくはずです。

 また、言葉の意味がわからないときは説明しますが、基本的にこの学習法に知識は必要ありません。こちらで問題を読んであげて、後は「問題の通りに絵を描いてみよう」と言うだけで、年長の子どもでも上記の例題を解いてしまったりします。絵の描き方などの指定はありませんので、遊びと同じ様に自由に想像力を働かせ、思い切り工夫や試行錯誤を楽しめるのです。そして、問題の意味がわかって解けたときの喜びは遊び以上のものです。考える楽しさ、問題解決したときの喜びを自然なかたちで体感できれば、勉強に対する意欲も高まります。 “遊び”と“勉強”を繋ぐ理想的な学習法です。

 興味を持たれた方は、ぜひ一度、無料の体験授業へ参加してみてください。また、ご質問やご相談などがございましたらぜひお気軽にご連絡ください。親子で踏み出す第一歩のお手伝いができれば幸いです。