●こいく文庫(子ども向け)⑦

☆ 大どろぼうホッツェンプロッツ ☆ プロイスラー

~おばあさんの大切なコーヒー挽きが、ホッツェンプロッツに盗まれた! カスパールとゼッペルは、
知恵を絞ってホッツェンプロッツのねじろを突き止めようとしますが、逆に捕まってしまい…。果たして二人は、コーヒー挽きを取り返すことができるのでしょうか?~

これまた定番ですね。遠いドイツで五十年も前に書かれた作品が、なぜ今も定番として読み継がれているのか?
とにかく読めばわかります。ユーモアあふれる軽妙な語り口で語られるストーリーの面白さ!「泥棒から盗まれた品物を取り返す」「悪い魔法使いに囚われた妖精を救う」いかにも子どもが夢中になりそうな二つのテーマを、ものの見事に
両立させてしまっているのですから驚きです。
周到に用意された伏線で演出するクライマックスの見事さと言ったら! “短めの児童書”から、“ちょっと長めの物語”
への転換期に、ばっちり適任の一冊だと思います。
続編、続々編も期待を裏切らない面白さですので、ぜひ
三冊すべて読破してほしいと思います。