●こいく文庫(子ども向け)⑥

☆ 大きい1年生と小さな2年生 ☆ 古田 足日

~からだは大きいのに泣き虫の1年生、まさや。からだは小さくてもしっかりものの2年生、あきよ。
いつもあきよに頼りっきりだったまさやが、初めて見たあきよの涙…。「ぼく、ホタルブクロをとりに
いくよ。あきよちゃん。」~

「おしいれのぼうけん」や「ロボット・カミイ」等で有名な著者の古典的名作。個人的にポイント高いのが、この本の“地図”。
「エルマーのぼうけん」と同様、この“地図”が本の世界の臨場感をグッと高めてくれます。ただ、エルマーが冒険するのは、あくまでも“空想の世界”ですが、まさやの冒険は“現実の世界”。実は私、この本を小学生のときに読んでいるのですが、「この本は今まで読んできた“どこかのお話”と何かが違う」と感じたのを覚えています。今思えば、これは“自分の物語”だったのだと思います。
自立と成長、そして友情の物語。タイトル・内容から考えると1・2年生が自分で読むのが理想ですが、分量が結構あるので、少しずつ読み聞かせてあげるのもいいと思います。