●こいく文庫(保護者向け)②

☆ 子どもの「おそい・できない」が気になるとき ☆ 柴田愛子

保育歴30年のベテラン保育士である著者が、“子育て中のお母さんから特によく相談されること”に
ついて語った本。その一つ一つが、微笑ましいエピソードを交えながら親しみやすい話し口調で語られるので、ついつい頷きながら読んでしまいます。

子どもの(そしてお母さんの)ありのままを認めるおおらかで優しい言葉たちは、子育てで張りつめた気持ちを軽くする効果があると
思います。きっと小学生のお母さんが読んでも参考になる点が
多いはずです。
私はこの本を読んで、親を(そして子どもを)苦しくしている原因の一つは、この国に空気のように漂う(故に意識しにくい)“同調圧力の強さ”にあるのでは、と感じました。本文に「子育てでは、自分が何を大切に考えているか、つねに価値観を問われ続けます」 と
ありましたが、まずは親自身が、“人並みを求める気持”や“孤立を恐れる気持ち”や“摩擦を避けようとする気持ち”から、自由になるべく努力し、自分の判断に自信を持つことが大切だと思います。