●知識がなくても楽しめる算数入試問題ベストセレクション2012

“思考力”と“手作業”がポイントとなる入試問題が年々増加しています。今年度入試で目立ったのは“カード”の問題。ということで今年はテーマを統一して、カードの出てくる問題だけを集めてみました。以下、易しい問題順に並べています。

①筑紫女学園中学校 
②久留米附設中学校
③西南学院中学校 
④桐朋中学校
⑤灘中学校  

オススメは「時間無制限一本勝負!」です。(詳細はベストセレクション2011)
昨年、保護者の方から「○○中の入試問題だよ〜と誘ってみたけどまったく興味を示しませんでした…。」という声を頂きました。よくある話なんですが、高学年の子なんかは誘わない方がいい場合もありますよ。下心を見破られて「また何か勉強させようとしてる…。ピピッ!警戒モード発動!」となる場合もありますから(笑)。
例えば、リビングでお母様が問題を実際に解いてみる。「…ということは…う〜ん…」「ん?なにしてんの?」「いや、ちょっと○○中の入試問題があってね〜…これ、解けそうなんだけどね〜…う〜ん」とひとしきり唸った後に、問題をそのままにして席を外す、とか。どうでしょう? うまくやらないと「出た、わざとらしい演技!警戒モード発動!」となるかもですね(笑)。リビングの机の上に問題を置いておくだけの方がいいかもしれません。「何これ?」と聞かれたら「○○中の入試問題だって。ちょっとやってみたいから置いといて」と言っておいてそのままにしておく。ず〜っと置いてたら気になって読むでしょうし、読むと解きたくなるものです。直接的に誘うより意外と効果的だったりしますので試してみてください。(ただし、一ヶ月以上置きっぱなしの場合は潔く諦めましょう。笑)

※主要校の入試問題は、福岡県内は全教研(こちら)、関東関西は四谷大塚(こちら)
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※ 解答・解説もアップしています。できるだけ詳しく書いたつもりです。ページ右下の「次のページへ」をクリックしてください。内容に関して、ご質問等ございましたらメールを頂けたらお答えいたします。

①筑紫女学園中学校

時間をかけて調べれば解けます。そういう意味では低学年の子でも大丈夫な問題です。トランプなどのカードを実際に使うと考えやすそうですね。系統立てた試行錯誤ができない場合は、つい口を挟みたくなるでしょうが、まずは自由にやらせてみてください。自ら手を動かし苦労すること、その経験のなかで思考回路が育っていきます。

②久留米附設中学校

(1)は①の筑女(3)とほぼ同じ問題です。同じ年に複数校で出題内容が被ることは珍しくありません。
①の筑女に挑戦した後に、少し間を空けて②の附設に挑戦すれば「附設の問題が解けた!」という喜びと自信を与えやすいかもしれませんね。(2)は「平均」という言葉の意味の理解が必要です。これも頑張って調べれば充分に解けます。

③西南中学校

ルールを確認しながら落ち着いて解き進める必要があります。①②とは少し違って“情報整理力”が要求される問題ですので、時間を忘れて没頭できるときに取り組んだ方がよさそうです。方眼ノートがあるとやりやすいかもしれませんね。ちょっとしたパズルみたいでもありますが、性格によって好き嫌いがでそうです。片づけ下手な子は厳しいかも?

④桐朋中学校

約数に関する知識が必要です。とはいえ6までなので、ササッと一覧を作って、それを見ながら解いてもいいですね。サイコロとカードがあれば更に楽しめるかもしれません。ただし(2)以降は難しいです。論理的思考が要求され、大人でも考えさせられる内容です。書き出していくうちにポイントが見えてきます。ハイレベルですが、そのぶん解けたときの感動は大きいです。

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⑤灘中学校

難問です。とりあえず書き出してみる、というのが規則性の問題の鉄則ですが、すぐ億の桁に突入してしまいますし、どのような規則があるのかを見破るのも大変です。理数系が得意な保護者の方にも解いてもらいたいですね。逆にすごく難しく考えてしまうかも。「これ小学生には無理でしょ!」 ところがどっこい…以下は解説参照。すぐには見ないでくださいね(笑)。非常に美しい問題だと思います。
解ければ天才!です。