●こいく文庫(番外編)数学参考書
質問されるな~」と気づいたので、忘れないうちに書いておきます。(公立中の生徒向けの話です)
数学の参考書は大きく分けると、「全学年分が一冊にまとめられた受験対策用」 と 「各学年で一冊ずつに分かれた定期テスト対策用」 の二つがあります。
必要となってきます。先取りには「受験参考書」より、説明が詳しい「学年別参考書」の方が向いていると思います。先取りしつつ復習して、過去問も繰り返して…とやるべきことが沢山ありますので、「受験対策用」は余裕ができたときに考えればよいでしょう。
「そこまではできているんだけど、あともう一歩、満点を取るための応用力を磨きたい」というときに適切な教材、これが意外と少ない。“応用力養成”を目的とした教材としては「最高水準問題集」がオススメですが、定期テスト対策としてはちょっと難度が高すぎる気がします。
ということで、私のお気に入りの参考書がこちら、「3ステップ式標準問題集」(写真)です。基礎を一通り総チェックできるのはもちろん、他の参考書よりも発展問題の質と量が充実しているのが特徴です。タイトルや作りが地味なので書店では目を引きませんが、解説も詳しく、使い勝手も良いです。
数学に限らずどの科目についても、最も有効な定期テスト対策は、「教科書や副教材をしっかりやりこんで完璧にすること」というのは間違いないと思います。「ただ一通りやり直す」と「完璧にする」が全く違うということを経験を通して学び、その精度を高めていくことが大切です。
ただし一点、英語に関しては、教科書と副教材だけでは「文法のルールを覚えこむ」だけの演習量が不足する場合が多いようです。中1の時点で“be動詞”と“一般動詞”の肯定文・否定文・疑問文の文の構造の違いを理解できずにいると、間違いなく英語が苦手になりますので、そこは気を付けてもらいたいと思います。
●三周年♪
仕事でもプライベートでも“教育”にどっぷりと浸かっている今の私。
“自分の仕事”から得た学びが“我が子の子育て”を助け、また“我が子の子育て”から得た学びで
“自分の仕事”の質を高めていける。今の自分のそういう状況を、とても有難いことだと感じています。
これまで、生徒と我が子から、貴重な学びをたくさん与えられてきましたが、逆に、私は彼らにどれだけの学びを与えることができたのか、そう自問すると・・・う~ん、どうだろう。楽しい時間をたくさん共有したことは間違いないけれど。
大手塾で働いていたときは、生徒に対して「いかに沢山の学びを与えられるか」ということにこだわっていたように思います。算数の知識はもちろん、人生の先輩として、もっと教えるべきことがあるはずだ、と。まあ先生ですからね。当然です。
でも今は、その“当然”からだいぶ意識が離れているように思います。理由は簡単です。「大人が教えなくても、子どもには、自ら学び、自らを成長させる力がある」ということを日々、子どもたちが教えてくれるからです。教室でも添削でも、今は“教えないこと”をできるだけ意識しています。環境を整えて、その子に壁を乗り越える力があることを信じて、でしゃばらずサポートに徹する。それだけ。ところが、それだけをやっていた方が、「教えなきゃ」と変にがんばるよりも、(長い目で見ると)ずっと良い結果を生んでいるのです。
“子どもの可能性を信じる”、口で言うのは簡単だけど、耐えて待つのは時にきついです。成長のタイミング、成長のペース、成長の仕方、すべてその子自身が決めることなので、不安になることももちろんあります。でも、それでもやっぱり、信じて待っていれば、必ず成長してくれる。そこに例外はない、と
いうことを、生徒たち一人ひとりが教えてくれたように思います。
そのような経験から、子どもが成長していくうえで大人が教えるべきことって意外と少ないのかな、と
感じています。「この子は自分が導いてあげなきゃ」という心配は、子どもへの不信というネガティブな動機から発している部分もあるので、そのエネルギーはポジティブな結果に結びつきにくいように思います。本心からその子に信頼を寄せて、「君は素晴らしいね。きっと立派な大人になるよ。」と期待をかけてあげれば、(特に何かを教えたり導いたり頑張らなくても)いつかは自ら期待に応えるための努力を始めるはずだと思います。
今日(ついさっき)、めったに見ないテレビをつけたら、ちょうど教育関係の番組をやっていて、それが今書いた内容にきれいにリンクするような内容だったので驚きました。“こいくの日”のプレゼントかな? 先日書いた“新しい教育”の記事にもリンクする内容です。動画を視聴できるようなので紹介します。→「自己学習にまつわる新しい試み」
新たな視点で“教育”を捉え直すべき時期が来ていると感じます。
●こいく文庫(子ども向け)⑩
~ひょんな事から長距離トラックで東京に来た黒猫ルドルフ。土地のボス猫、イッパイアッテナと出会った日から、愉快で刺激的な野良猫生活が始まった……。ぼくたちの、知恵と勇気と友情の物語。~
猫が書いた作品だけあって(?)、「そうか~猫からはこう見えるのか~」と思わされることが多く、“視点を変えれば世界が変わる”ことを教えてくれます。
とはいえ、心の動きは人も猫も同じ、話が進むにつれ感情移入が進み、いつの間にか気分はルドルフ。教養あふれる兄貴分、イッパイアッテナに弟子入りした気分に。誇り高く
生きる野良猫である彼の深~い言葉に、様々なことを教わります。色々と考えさせられることも多く、学びの多い本だと思います。もちろんストーリーは抜群の面白さ、クライマックスは感動モノです。自立への勇気を与えてくれます。