ここで保護者の皆様に質問です。「学生時代の勉強は楽しかったですか?」
どうでしょうか。「楽しめる部分もなくはなかったけど、やらないといけないからやっていただけで、自分から進んでやりたいものではなかった」というのが私自身の回答ですが、同じ様に感じていた方も多いのではないでしょうか。
 
 残念ながら現代日本では勉強とは“やらないといけないもの”という捉え方が常識となっています。
しかし本来、勉強とは義務ではなく “やっていいもの”という権利なのです。今では母が子に「遊ぶ前に勉強しなさい!」というのはありふれた光景ですが、一昔前には「いいねえ、あなたは勉強するチャンスがあって」と言う場面も珍しくなかったはずなのです。(現在でも発展途上国では日常です。)
 
 いつからこれほど勉強は“楽しくないもの”となってしまったのでしょうか。本当に勉強は “楽しくないもの”なのでしょうか。
 私は「指導者の熱意と工夫と努力しだいで、勉強は楽しいものになり得る」と確信しています。
 私自身の勉強の捉え方が変わったのは、中学受験の算数に出会ってからでした。本好きで国語だけが得意な私にとって、小学校で習う算数は決して面白いものではありませんでした。計算を機械的にやらされる印象があまりにも強かったのです。
 しかし塾で働き始めて、ふとしたきっかけで中学受験の算数と出会ったとき、「小学校で習った退屈な算数とまるで違う!」と感動を覚えました。それから今に至るまで、その奥深い世界を知れば知るほど、私にとって算数は勉強というより遊びのように楽しいものであり続けています。

 楽しくない勉強の代表格のような扱いを受けることも多い算数ですが、知識がなくとも自らの“考える力”さえあれば未知の世界を切り拓いていけるという意味で、本当は最も“考える楽しさ”や“学ぶ楽しさ”を伝えやすい科目なのです。

 塾講師時代の私は「考える楽しさをもっと子どもたちに伝えたい」という想いで授業に臨み、多くの生徒に「先生のおかげで算数が好きになった」と言ってもらえる喜びを味わってきました。
 [学び舎こいく]の教材とカリキュラムは、この楽しさを、勉強と遊びとの垣根を取り払うくらい、更に凝縮させた形で伝えるものとなっています。

 保護者の皆様にも、ぜひ「勉強は楽しくなり得る」ということを信じて頂きたいと思います。特に小学校低学年の場合、勉強に対する親の姿勢は即、子どもの姿勢につながります。「楽しくはないけど頑張りなさい!」だと“楽しくないもの”として、「わかってくるともっと楽しくなるよ♪」だと“楽しいもの”として、素直に受けとるのです。

 もちろん、“考える楽しさ”を子どもに伝えるのには、多少の困難もあります。ゲームやテレビなど、受け身の姿勢で今すぐに楽しませてくれる娯楽と違って、自ら積極的に働きかけて初めて掴み取ることができる“楽しさ”ですから、体感できるまでは多少の時間がかかります。
 しかし、その壁を乗り越えて“考える楽しさ”を体感した子どもは変わります。お手軽な遊びでは得られない楽しさが、考えることや学ぶことにはあるのです。

 自ら学びたくなる環境を準備するために、保護者の方には何かとご協力いただくこともあるかと思いますが、養成する“とことん考え抜く力”は必ずやお子様の人生を明るく楽しく豊かにするはずです。
 お子様の未来のために、ぜひ宜しくお願いします。

 ※“勉強”という言葉には勉める(努める)ことを強いるイメージがあるので、本HPの他のページでは、自主的に取りくむイメージがある“学習”と用途に応じて使い分けるよう心がけています。
【指導方針2】
目先の結果を求めない。
ゆっくりじっくりていねいに、一生の財産になる力(とことん考え抜く力)をつける指導をする。
 集団か個別か、進学か補習かを問わず、巷に溢れるほぼ全ての塾・学習教室は「最短で結果を出すこと」を指導における最優先事項としています。結果、つまり短期間での得点や数値評価アップ、試験合格を実現することは塾・学習教室に課せられた使命です。私自身も以前はプロとして結果にこだわって指導していましたし、お金をいただく以上は、至極当然の姿勢だと思います。
 しかし、こいくでは、目に入りやすい結果以上に、目に見えづらい子どもたちの変化や成長をじっくりと注意深く見つめ、本質的な力をつけることを最優先したいと考えます。目先の結果を優先する指導には、見逃せない弊害があると思うからです。